【レポート】FUJIMOCK FES 2015に参加しました【富士山セッション】
こんにちは、スタッフ粟屋です。
このたび、私と田吹はFUJIMOCK FES 2015に参加させていただきました!
そこで今日は、FUJIMOCK FESの一番の醍醐味とも言える富士山セッションのレポートをお届けします。
FUJIMOCK FESとは
富士山の麓で森について学び、ヒノキの間伐を体験し、
その間伐材を用いてものづくりや研究を行うイベントです。
日本の林業が抱える様々な問題を、ものづくり(FAB)を通して改善する策を見出すことができないか?
ということで2012年から取り組みが始まりました。
普段の生活ではなかなか知ることのできない森のこと、林業のことを学びながら、
ヒノキの間伐を行い、その間伐材を持ち帰って乾燥させてものをつくるという一連の作業を半年かけて行います。
▼FUJIMOCK FES 公式サイト
http://www.fujimockfes.org/
富士山セッション1日目
●フィールドワーク@田貫湖ふれあい自然塾
案内してくださるのは、ホールアース自然学校のやまっちさんと木こりさんたち。
森について教わりながら、田貫湖ふれあい自然塾の周辺を歩いていきます。
日本の面積の67%が森林で、そのうちの60%が天然林、40%が人工林なんだそうです。
さまざまな植物が共存する森。
生物にとって豊かな森とは、こういう森のことを言うのですね。
田貫湖と富士山。あいにくの曇り空ですが、富士山はしっかり見えました。
森で出会う動物についても教えていただきます。
やまっちさんが持っているのは、なんと鹿の角。
鹿の角は生え変わるものなので、よく落ちているのだそう。
このフィールドワークでは、天然林・人工林とは何か、
森で出会う植物や動物について、森の抱える問題…など、
実際に見て・触れて教えていただきました。
●お昼ごはん
お昼ごはんは、ホールアース自然学校で育てられた無農薬野菜をふんだんに使ったお弁当!
お肉大好きな私ですが、お肉がなくてもとってもおいしくいただけました。
ヘルシーかつおいしいってすばらしい!
ホールアース自然学校の方が作ってくださるおいしいごはんも、
FUJIMOCK FES 富士山セッションのひとつの魅力だと思います。
●富士山セッション:木こり体験
腹ごしらえをしたら、いよいよマイクロバスで山の中へ。
ここでヒノキの間伐を体験します。
間伐されていないので、陽の光が入らず暗い森。
まずは木こりさんのお手本。
周りの木の場所や地面の様子などを見て倒す方向を決め、作業を行います。
チェーンソーとくさびを使い、ほんの数分で軽々と狙った方向へ倒してしまいました。
これぞ、プロの技ですね!
そして参加者の番。
まずは倒す方向に、「受け口」と呼ばれる切り込みを入れます。
参加者はチェーンソーは使えないので、のこぎりで作業を行いました。
生きている木を切るのは、乾燥された木材を切るのとは感覚も違い、とっても大変。
なかなかに体力を使う作業なので、大人数で順番にのこぎりを引きました。
受け口ができました。
木の高い位置にロープをかけて、受け口の反対側、
受け口よりも少し高い位置に「追い口」と呼ばれる切り込みを入れていきます。
そしてロープをみんなで引っ張ります。
「大きなかぶ」の登場人物になった気分!
倒れた〜!意外とあっさり。
ビフォーアフターがこちら↓
日の光が入るようになりました。
普段の生活では触れることのできない切りたての切り株は、野菜のようにみずみずしく、とても新鮮でした。
木こりさんがチェーンソーで平らにしてくださった切り株に触れながら、この木の人生(樹生?)を推察したり、
自分が生まれるよりもっと前から何十年もの時間をかけて育った木なんだなと実感したり…
伐採したヒノキは、木こりさんが枝を落としてトラックに乗るサイズにカットしてくださり、
それらをトラックに積んだら、間伐体験は終了。マイクロバスで田貫湖ふれあい自然塾に戻りました。
●木と木こりについて知る
田貫湖ふれあい自然塾に戻り、木こりさんの道具を見せていただきました。
(この写真の中には、古すぎて木こりさんたちにもよくわからないものもあるとのこと)
「辺材(樹皮に近い水分を多く含む部分)」「芯材(辺材の中の部分)」のことや、
年輪の見方なども教えていただきました。
●夜ごはんとプレゼンナイト
夜ごはんは、宿泊場所であるホールアース自然学校で。
ホールアース自然学校へ向かう途中、あさぎり温泉 風の湯でお風呂タイムです。
こんな綺麗な富士山が見れる素敵な場所にある温泉です。すごい!
夜ごはんは、お昼ごはんに続き無農薬野菜をふんだんに使ったお料理!
ホールアース自然学校のわしこさんがつくってくださった、とってもおいしい料理の数々です。
カレーのごはんの山部分は、3Dプリンターで作られた富士山の型を使われています。
ごはんを食べて一息ついたら、プレゼンタイムのはじまり。
ハロウィンということで、魔女のコスプレをしたFabLab鎌倉のコマちゃん&ゆうかさん。笑
FabLab関係の参加者やOBを中心に、それぞれの普段の活動についてプレゼンを行いました。
FabLab山口のプレゼンはもちろん田吹さん!
そして、制作についてのカウンセリングタイム&参加者同士の交流タイム。
FabLab鎌倉のコマちゃん&ゆうかさんが参加者一人一人のつくりたいものについてヒアリングを行い、
持ち帰る材料の相談に乗ってくださいます。
その傍らでは参加者同士がお酒やおつまみ片手にわいわい。
そして外では、いつの間にか「木こりストーブ」を囲んでマシュマロを焼いて食べていたり…
FUJIMOCKで「木こりストーブ」と呼ばれていたのがこちら。
丸太にチェーンソーで切り込みを入れ、中心に火種を入れたものです。
このように内側から燃えていくので、近くにいても熱すぎずちょうどよいあたたかさ!
隙間から漏れる炎の色がきれいです。
日付が変わるまでおしゃべりをして、この日は就寝しました。
富士山セッション2日目
ホールアース自然学校の朝は、動物のお世話から始まりました。
●朝ごはん
緑に囲まれて、澄んだ空気の中でいただく朝ごはんは、格別です。
ちなみに、ヒノキの輪切りの板がお皿になっています!
おいしすぎて、おかわりする人続出。
●チェーンソー製材
朝ごはんのあとは、1日目に伐採したヒノキを木こりさんにチェーンソーで切り分けていただきます。
大きな治具をつけて板状に。
輪切りの板や丸太に。
OBでサポーターの今西さんも、自社工場から機材を持ってきてくださっていました。
(今西さんは過去のFUJIMOCK FESの参加者で、FUJIMOCKをきっかけに自社工場を作ったすごい人)
▼FUJIMOCK発で今西さんが作られている「KinoWa」
http://la-muga.jimdo.com/
たくさんの素材が切り出されていきます。ちょっとした市場のよう。
素材の切り分け作業の合間に、お昼ごはんも。
午後、それぞれに切り出してもらった素材を荷物に詰めて、解散です。
持ち帰った木材は各々で4カ月弱乾燥させ、作品へと形を変えていきました。
発表会のレポートは、また後日。
ちなみに、FabLab山口にも、まだこのヒノキがたくさんあります(調子に乗って持ち帰りすぎました…笑)
素敵な作品に昇華させてくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けください!