【レポート】FAB CAMP 2015に参加しました(その2)
こんにちは、スタッフ粟屋です。
今日は先日の記事に引き続き、「FAB CAMP 2015」のご報告です!
「FAB CAMP 2015」については前回の記事にて触れていますので、
私はさっそく、自分の参加したワークショップを中心にレポートさせていただきます。
マテリアルフィニッシングワークショップ
このワークショップでは、FabLab仙台のスタッフさんの指導のもと、
3Dプリンターやレーザーカッターで出力したものの"仕上げ"を学びました。
今現在ファブラボにある機材は、ほとんどが"出力したら終わり・完成"ではありません。
デジタル工作機械はあくまでツールであり、どんなに元のデータを作り込んだとしても、
最初から必ずしも"完成品"を出力してくれるわけではないので、
よりよいもの・心から満足できるものをつくるためには、
やはり人の手による仕上げの工程が必要になることもあります。
FabLab仙台ではさまざまな素材の仕上げ・加工の方法を模索されており、
Fabbleにもその様子を掲載してくださっています!
そして今回、実際に体験して学んだのは、レーザーカットした木材の簡単な仕上げ方法です。
まずは表面のやすりがけをしたあと、クランプで固定し、
カットした部分の焦げをカッターの刃で地道に削ぎ落としていきます。
こうすることで、レーザーカッター特有の焦げ跡を消すことができます。
次に、栗やクルミを割って中身をガーゼにくるみ、槌で砕いて油を出します。
この油を木材に塗って染み込ませることで、ツヤが出たり木目が綺麗に見えるようになったりするのです。
(口に入れても問題無いものなので、木製のカトラリーにも使用できますよ!)
ただし油ならなんでも良いというわけではなく、"乾性油"でないと木材の仕上げには適さないそうです。
このほかにも、いろいろな素材の仕上げ・加工サンプルを見せていただきました。
3Dプリントによる積層跡を解消するためにジェルメディウムを塗布してなめらかにする方法など、
こういったノウハウはファブラボ山口にはまだないものなので、とても勉強になりました。
このワークショップで学んだ内容は、ファブラボ山口でもぜひ実践していきたいと思っています!
バキュームフォーマーをつくるワークショップ
こちらはFabLab佐賀主催のワークショップ。
FabLab仙台がFabbleに公開されているシンプルバキュームフォーマーを実際に作成するワークショップです。
バキュームフォームとは?
バキュームフォーム(英語:vacuum forming)は、薄い熱可塑性樹脂の板を熱して軟化させ、木などで出来た元型に密着させて成型する手法である。直訳すると「真空成型」となる。(Wikipediaより)
要は熱でやわらかくした樹脂の板を原型にのせてギューンと吸引して型取りするぞ!ということで、
そのための道具をつくるワークショップでした。
プラモデルがお好きな方には馴染み深い成形方法のようですが、
レーザーカッターと掃除機さえあれば、これがすぐにできちゃうのです。
今回実際に作成したバキュームフォーマーの作成手順と気づきはFabbleにUPしています。
こちらもぜひ、合わせてご覧くださいね!
「かんなちゃん」をつくるワークショップ
こちらはFabLab関内で生まれたロボットキット「かんなちゃん」をつくるワークショップです。
もちろんFabLab関内主催のワークショップ。
説明書のとおりにはんだづけをして組み立てていけば、Arduinoで動く愛らしいロボットができちゃいます!
パーツやプログラムのデータはweb上に公開されており、カスタマイズも可能。
電子工作に興味はあれど、まだ何の知識もない私のような人間には、とてもありがたいキットです。
なんといっても動きがキュートなのですが、写真ではお見せできないので、
気になった方はぜひファブラボ山口に実物を見にいらしてください!
私は"眠る"動作がとてもかわいくて好きです。癒されますよ〜。
廃材ファブ
こちらはFabLab太宰府&FabLab仙台による、廃材を用いて楽器をつくろう!というワークショップ。
私は途中からちょっとだけお邪魔して、廃材マラカスをつくりました。
あーでもないこーでもないと試行錯誤しながらブンブンゼミの大きいバージョンを作ろうともがいている方がいたり、
もはや音は鳴らないけれど不思議な動きをするオブジェのようなものをつくられた方がいたり、
遊びに近い感覚でものづくりの楽しさと充実感を実感できるワークショップでした。
廃材ファブは、FabLab太宰府にご協力いただき、
近いうちにFabLab山口でもワークショップをおこないたいと思っております。お楽しみに!
「FAB CAMP 2015」を終えて
ファブラボ山口は、正式オープンから間もないファブラボです。
しかし、ファブラボ山口βの時から多くのファブラボ関係者の方々に応援していただきました。
そしてYMMFや今回の「FAB CAMP 2015」で日本各地のファブラボ関係者の方々と実際にお会いし、
プレゼンをおこなったり、おいしいごはんを囲みながらお話できたことで、
日本各地のファブラボ同士が"つながっている"ことの心強さを肌で感じることができました。
FabLabは"ものづくり"をおこなうための場所ですが、ものづくりを通してうまれる"出会い"もまた、
FabLabになくてはならない大きな財産であることを実感した3日間でした。
粟屋からの報告は以上です。
お世話になった皆々様、本当にありがとうございました!