制作事例_vol.10 |株式会社 スオウ|代表取締役 原田 哲也さん

株式会社スオウは「人は成りたい自分に成りたい」をモットーに掲げ、地方の個人や中小企業を支援する3つの事業を展開しています。

プログラミング教室スオウパーティは、プログラミングの制作活動を通してITの知識や使い方を身につけながら将来の基礎となる創造力と実務能力を育みます。

何の機材で、何を制作されていますか?

レーザーカッターを使ってプログラミング教室のロゴを入れた木製コインを作りました。

プログラミング教室では子どもたちに宿題を出しているのですが、提出率が今ひとつだったので、インセンティブというか、頑張るきっかけになればと思って作り始めました。

とにかく子どもたちが興味を示してくれるように、形やデザインにはこだわりましたし、5円玉のように穴を開けたり、レアパターンを交ぜたりとあれこれ工夫しているうちにバリエーションが増えていきました。

ファブラボを知った経緯を教えてください。

2019年に神奈川から山口に家族全員でUターン移住しました。


その際、河口さん(ファブラボやまぐちの代表)とお話しする機会があり、「ファブラボではデザインデータさえあればオリジナルのものづくりが出来ます」という言葉がとても印象に残っていました。

1年前からプログラミング教室のロゴ入り販促物の制作を始めたのですが、その中で子ども向けにオリジナルコインを作りたいと思い立ち、ファブラボを利用するようになりました。

ファブラボを利用していかがですか?

とても馴染みやすい雰囲気で、来て良かったと感じました。


何度か機材のセットアップなどを教えてもらったのですが、友人のように気軽に会話ができて、とてもやりやすかったことを覚えています。

レーザーカッターを利用する方の多くは、表面(片面)だけを彫刻されると思いますが、私はコイン制作のとき、裏面にも同じ彫刻をすることにしました。実際は表裏のズレを調整するだけでもかなり細かな作業が必要で、改めて無謀なチャレンジだったかなと不安になりました。そんなとき、スタッフの皆さんのサポートもあり、納得のいくものが出来ました。

原田さんのものづくりに対する理念や信念・思いとは何ですか?

いちばん重視していることは、作り手が楽しんでいるかどうかです。


現代では同じデザインのものを量産することは簡単です。でも、私にはそれが画一的過ぎて楽しくないというか、つまらないと感じてしまいます。

コイン制作の実作業は弊社のデザイナーに一任しました。普段はパソコンを使っての作業が中心ですが、子どもたちが直に触れるものなので、よりアナログに、手作業で楽しみながら作ってもらえるようにしました。

作り手自身が楽しんで作らないと、それを手にした人も絶対に楽しめないと思っています。

今後ファブラボに期待すること、要望などはありますか?

まずは来訪者を増やすこと、幅広く各世代にアピールし、ファブラボを知る機会を増やしていくとよいのではと思います。
小さなお子さんや若い人たち、より多くの方が利用される場所になればいいなと期待しています。

今回取材させていただいた原田さんは、Web開発エンジニア、ITコンサルタント、プログラミング教室の運営といった3つのお仕事を掛け持ちされています。

エンジニア経験が豊富な原田さんは、Web開発の現場でフロントエンドにバックエンドにと幅広く対応される一方、コンサルタントとして中小企業の問題解決にお客様目線で奮闘されています。また、山口市と防府市で小中学生を対象としたプログラミング教室を開設されており、県主催のワークショップではプログラミングの講師をされるなどその活動は幅広く、とても多忙な日々を送られています。

今回お聞きしたコイン制作のお話の中でとても印象的だったのは、コインが貰えることで完成に向けた試行錯誤を繰り返す「アクション」が生まれるという視点でした。
実際に子どもたちから「今週はコインもらえますか?」と聞かれることが増え、コミュニケーションツールのひとつとして十分に機能しているそうです。

現在、原田さんはプログラミング教室の生徒と協働してウェブサービスを起ち上げたいという希望を持たれています。「こちらが教えられることは全て教えますが、それ以外は全て子どもたち自身で考えてもらい、いずれは全面的に任せたい」と満面の笑みで語ってくださいました。

更にこの活動を広げるため、新たに下関市と下松市での開校準備を進められています。

原田さんのプログラミング教室では、コンテスト出場をひとつの目標としています。そのためにプレゼンテーションの技法を学んだり、ビジネス用メッセージングアプリ(Slack)を介したコミュニケーションを行ったり、より実務に近い形で学べるように工夫されています。

子どもたちには、問題解決に向けてアクションを起こすこと、自分の意見を伝えることの大切さを教えていきたい。たくさんの選択肢をたくさん試し、たくさん失敗する、失敗に萎縮せず、何度でもチャレンジして欲しいと話されていました。
教室には中学生になった生徒さんもおられ、
多忙な日々を送る原田さんに「一緒にお仕事できる日も近づいていますね」と言うと、「楽しみにしています」と笑顔で答えていただきました。

その表情から、原田さんご自身の挑戦はまだまだ続いていくのだなと強く感じました。

原田さん、お忙しい中ありがとうございました。

株式会社スオウ
Webサイト:https://thwoo.co.jp/

プログラミング教室 スオウパーティ
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