制作事例_vol.4|myrte |店主 難波 康子さん
2023年春にオープンした山口市の小さな雑貨店。
日々の暮らしに寄りそう「あたらしいもの・古いもの・手しごと品」 など、くらしの雑貨を扱うセレクトショップ。
店名のmyrte(ミルテ)はハーブの一種で「祝いの木」とも呼ばれています。
地にしっかりと根を張り、春は花で、夏は香りで、秋冬は木の実で日々の暮らしを祝う。
たくさんの方に愛されるお店に育てたいという想いが込められた店名です。
何の機材で、何を制作されていますか?
レーザーカッターを使って、お店のサイン(看板)を3種類、紙袋などに押すスタンプも作りました。
サインは店内正面の壁と駐車場に設置しています。花壇には切り抜いて残った板を自分でペイントし、看板として使っています。
ファブラボを知った経緯を教えてください。
お店のロゴデータは持っていたので、看板などは自分たちで作れないかと考えていました。その時、ファブラボのネット記事を思い出し、すぐに調べました。
ファブラボを利用していかがですか?
機材の使い方を覚えるのは大変でした。あれこれ教えていただきましたが、なかなか覚えられず…利用する度にサポートしていただき完成させることができました。
だけど、データさえあれば自分たちの手で形にできるということがとても良かったです。
ファブラボスタッフの皆さんはすごくフレンドリーで、アットホーム。作業スペースも落ち着いた雰囲気で、充実した時間を過ごすことができました。
難波さんのものづくりに対する理念や信念・思いとは何ですか?
私のものづくりは「お店づくり」です。それぞれのアイテムをお客さまの日常にどう取り入れていただくか、どのように使っていただけるのかを想像し、わかりやすくおすすめしています。お店にあるから素敵に見えるのではなく、日々の生活で使った時こそ輝ける、そんなイメージが浮かぶようにディスプレイしています。
今後ファブラボに期待すること、要望などはありますか?
すごく素敵な場所なので、今のかたちのまま、長くそこにあるといいなと思います。
カーナビに目的地を設定、入念に確認、早めに事務所を出発。
垂れ込める黒い雲を傍目に、「どうか撮影が終わるまで降らないで」と願いを込めて車を走らせました。
碁盤の目のような住宅街、細い道を注意深く進み、ようやくmyrteさんの看板を見つけた時は安堵しました。
店内には靴を脱いで入ります。オープン前は、靴を脱いで入ることで「敷居が高い」と敬遠されるかもしれないという不安もあったそうですが、靴を脱ぐことで緊張を脱ぎ「リラックスしてほしい」という難波さんの思いから今のスタイルに決めたそうです。そんな難波さんの想いが通じたのか、お客さまはゆったりと過ごされ、来店された方の多くがリピーターになられているそうです。
難波さんセレクトの雑貨は、どれもハイセンス、素敵にディスプレイされています。一つ一つに難波さんのこだわりと、雑貨への愛を感じます。おすすめのキャンドルについて熱弁される難波さんはとても楽しそうで、お店そのものが難波さんの作品、お店づくりが創作活動なのだと強く感じました。
この店舗は散歩中に偶然見つけた空き家だったそうです。そこをお店に改装する過程で、多くの部分をDIYされており、今後はお庭も自分たちで整備していきたいとおっしゃっていました。出発時の黒い雲も撮影時には青空に、柔らかい光が包みこむ真っ白な店内は、本当に居心地の良い空間です。
その庭先には店名にちなんだ「myrte」が植えられており、今は可愛く小さな実がなっていました。春先には店内と同じ真っ白い花が咲くそうです。
「日々の暮らしを祝う」雑貨がたくさん揃ったmyrteさん。
店舗の一部を和菓子教室の会場として提供するなど、より多くの素敵な出会いに挑戦していきたいと話されていました。
今はmyrteオリジナルの商品開発を企画中、お店づくりに新たな1ページが加わりそうです。
今回取材させて頂いた私たちもリピーターのひとりとして心待ちにしています。
難波さん、ありがとうございました。
myrte
Instagram:@myrte._y