制作事例_vol.2|アトリエ a.p.r |代表 片山 涼子さん

オーダーメイドを中心としたブランド「a piece ryoko katayama」のアトリエ兼ショップ。
「自身が生み出したひとかけらの作品が、それを身につけてくれる人の体の一部のような存在になってほしい」という想いをコンセプトに、「一点モノ」のクオリティーを大切にしたものづくりを常に心がけて活動中。

何の機材で、何を制作されていますか?

デジタル刺繍ミシンを使って、仕事でご依頼していただいた舞台衣装のワンポイントの刺繍などを制作しています。

ファブラボを知った経緯を教えてください。

ファブラボがまだ山口市中心商店街にあった時で、商店街の偉いおじ様に「刺繍ができるところができたんだよ」と教えていただきました。

その時覗いたのが最初で、古かったところに新しいものが突然出現し、「デジタルすごいな」と良い違和感を覚えました。

ファブラボを利用していかがですか?

私は仕事が入った時に使わせていただく程度で、頻繁に利用はしていないので、「使い方どうだったかな?」ということもありますが、その都度スタッフの方に教えていただきながら思い出し、ちょっとずつ使える技術が自分の中で増えているので、今後も色々な使い方ができるだろうなと楽しみです。

それに今はお向かいさんなので、移動時間がかからない分、作業時間に費やせるので、とっても便利だなと感じています。

片山さんのものづくりに対する理念や信念・思いとは何ですか?

誠実にというか、自分が0から10まで作ったものを、誰だかがわかるお客様にお渡しするという仕事なので、手が抜けなくて当たり前だと思っています。
使ってくれる方、着てくれる方のことを思いその人が自分の作品を身につけたことで、より良くなってくれると嬉しいので、その人の潜在的な魅力というか、それがより引き出せるようなお洋服とか舞台衣装とか、そういうものを作りたいといつも思って作っています。

今後ファブラボに期待すること、要望などはありますか?

うちに来ていただくお客様でもファブラボのことをご存知ない方とかも多いので、もっとたくさんいろんな人が毎日使って、今以上にすごく賑わうといいなと思います。

便利で素敵なところなので、みんなが知っているという場所になってほしいですね。

お向かいさんなのに行ったことがなかったアトリエa.p.rさん。ワクワクしながら中へ、レトロな家具や照明で統一された店内は、代表の片山さんのこだわりを感じる素敵な空間が広がり、何よりも商品の可愛さに目を奪われてしまいました。

片山さんに、最もご苦労されることをお尋ねすると、「裁断が一番緊張しますね」とおっしゃっていました。

「衣装や洋服、小物の多くは着られなくなった着物などをリメイクして制作しているので、どこをどのように切り取るかで全く違った表情になり、失敗ができない作業ですから」

「ここで作る洋服や小物は、流行を追うのではなく、長く着られ、使い続けてもらえるように、お客様に喜んでもらえることをいちばんに考えています」
と嬉しそうに話される片山さんを見ていると、本当に裁縫への深い情熱と愛を感じました。

今回のインタビューを通じて、アトリエa.p.rさんは古い着物を「リメイク」しているのではなく、「リバース(再生)」させているのだと感じました。

片山さん、ありがとうございました。

アトリエ a.p.r
Webサイト:http://atelier-apr.jp/